La Garbatella
(ラ・ガルバテッラ)
イタリアへ旅行する時にローマをはずす方は少ないと思いますが、今回はローマの中でもあまり知られていないガルバテッラ地区を紹介したいと思います。
この地域は、ローマの中でも最も魅力がある所の一つとしてローマっ子に愛されています。2000年以上の歴史を持っているローマにとっては、割と新しいと言ってもおかしくはないところですが、1920年に作り出された地区ですので、現代的な建築物を想像しないでください。
第一次世界大戦後、非常に大きな建築発展があった時代に、現在のローマ市南部に、農家出身の移民のために計画された地区です。イギリスのガーデンハウスを原型にして1920年2月、当時のイタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ3世が儀式的に着工しました。ガーデンハウスとは、庭と建物のバランスをとった一戸建で、都市への交通も便利というコンセプトだそうです。庶民の暮らしを考えた設計で、家計が助かるようにと庭で野菜が作れて町に農民の味を残しつつ、田舎からの移民の環境変化が負担にならないようにとも考えられたそうです。当初の建築様式はバロッケット(小バロック)と言いますが、お金をあまりかけない資材で造られ、中世時代にもあったような動物と植物がテーマになっている装飾が多いものでした。
ファシズムの全盛期には、地区の計画も変化し、緑が少なくなって一戸建てよりマンションの設計が優先になりました。コンセプトとしては、共同スペース、つまり洗濯物干し場と保育園が中心になります。この時期のマンションは、ルイージ・フィンカーティ通りとエウジェニオ・ビッフィ広場に見ることができます。
しかし、時代が変わっても、変化しなかったガルバテッラのコンセプトは「人間の尺度に合った」設計です。
ガルバテッラを観光するなら、イズィドーロ エウロスィア聖人教会、フランチェスコ・サヴェリオ聖人教会やフィリッポ・ネーリ聖人教会、またコッモヂッラのカタコンベの入り口もあります。カルロッタ噴水やエウジェニオ・ビッフィ広場の中世時代の橋も観光スポットになっています。この地区のアーチや噴水、建物や庭園を楽しむためには、散策することが一番のオススメです。ガルバテッラにしかないこの「雰囲気」のお陰で、多くのイタリア映画の舞台にもなっています。
散歩してお腹が空いてきたら、“Ar Grottino Der Traslocatore”で伝統的なローマ料理を楽しむことができ、ピザなら“La Moletta”、おやつの時間には“Pasticceria Enzo Gori”や“Gelateria La Chiesoletta”。全て心をこもった料理とお菓子で迎えてくれること、間違いなしです。
森・カラッシア ルーチャ